今回は、小売店やスーパー業界での就職を考えている、沖縄県で就職がしたい、企業研究に力を入れているといった学生さんに向けて沖縄県を代表する大手小売会社のひとつであるサンエーを紹介していきたいと思います。
もくじ
(株)サンエーについて
沖縄でどこかスーパー寄りたいな〜と思ってまず真っ先に思いつくのが「サンエー」。そんな地元民に愛され続ける沖縄のスーパー「サンエー」について徹底解説していきます。
会社概要
株式会社サンエーは、沖縄県宜野湾市に本社を置く総合小売会社です。 沖縄県内において総合スーパー(GMS)およびスーパーマーケットの他、飲食店や家電量販店を展開しています。
商号 | 株式会社サンエー |
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英訳名 | SAN-A CO.,LTD. |
創業 | 1950年1月5日 |
会社設立 | 1970年5月28日 |
資本金 | 3,723百万円 |
営業収益(連結) | 2,043億55百万円(2022年2月期) |
代表者 | 代表取締役社長 新城 健太郎 代表取締役専務 田崎 正仁 |
事業内容 | 食料品と衣料品ならびに家電・日用雑貨等の住居関連用品の小売業 |
店舗数 | 小売店舗 72店舗 外食レストラン 11店舗 (2022年2月末現在) |
従業員数 | 1,715人(6,659人) ※当社から当社グループへの出向者を除く ※()内は臨時従業員(パートナー社員及びアルバイト)の年間平均雇用人員(1人8時間換算) (2022年2月末現在) |
本社所在地 | 〒901-2733 沖縄県宜野湾市大山7-2-10 |
連結子会社 | (株)ローソン沖縄 (株)サンエー浦添西海岸開発 (株)サンエーパルコ (2022年2月末現在) |
非連結子会社 | サンエー運輸(株) (2022年2月末現在) |
サンエーの名前の由来が素敵だったのでご紹介します。
サンエーの名前の由来
引用元:Wikipedia
「サンシャイン」の「サン」をとり、照らすという意味からお客さんをいつでも温かく見守りたいという意味を持たせ、「エー」はアルファベットの「A」を表し、語尾を伸ばすことによって社業が永続的に伸びるようにという思いが込められています。
ちなみに「サン」という沖縄のお守りがあってお客さまを守るという意味でそれも掛けているのでは?と個人的には思いましたが、ちょっと深く考えすぎかもしれないですね笑
企業理念
善の発想
心のプラスの発想
人を好きになることを心がけ、心のプラス発想で「お客様の喜びを自らの喜びとする企業」を目指す。善の発想が、いかなる逆境の中におかれても、物事をプラスに変え乗り越えていく原動力になる。
自主独立
自分のストーリーは自分で描く
自分の進む道は、自分の責任で決める。事業はロマンであり、流通小売業は気配りの芸術。これらの実現には自主独立の精神が絶対のものとなる経営哲学。
事業内容
サンエーの事業は以下の5つで構成されています。
- 食料品
- 住居関連用品
- 衣料品
- 外食
- CVS
食料品
「お客様の冷蔵庫がわり」として利用頻度の高い新鮮な食料品を提供
毎日の食生活に欠かせない新鮮な商品を豊富に品揃え。「お客様の冷蔵庫がわり」をモットーに、いつでも気軽にご利用いただける売り場を作っています。
住居関連商品
暮らしに欠かせない日用雑貨から大型家電まで。お客様にいちばんの利用をお届け
小さな日用雑貨から大型家電までの住居関連用品をトータルに取扱い。家電と暮らしの「エディオン」や、ドラッグストア「マツモトキヨシ」も展開しています。
衣料品
流行に敏感な沖縄で幅広いニーズに対応。衣料品をリーズナブルな価格で提供
創業当初から確かな実績を誇る衣料品。お子様からご年配の方まで、幅広いニーズにお応えできる商品を取り揃え、 リーズナブルな価格設定を行っています。
外食
フードコートから和風レストランチェーン「和風亭」など幅広いレストラン事業を展開
和食を楽しめる「和風亭」をはじめ、「大阪王将」や「ジョイフル」など多角的に展開。また大型SC内では、手軽に軽食が楽しめるフードコートも出店しています。
CVS
コンビニエンスストア「ローソン」の運営
連結子会社「(株)ローソン沖縄」にて、沖縄県における「ローソン」フランチャイズシステムおよび直営店を運営しています。
スーパーなのに食料品だけじゃなく、コンビニの運営まで幅広く事業を展開しているなんて驚きだね!
業務内容(各部紹介)
次に、サンエーの部署について紹介していこうと思います。主な部署は6つあります。
- 食品部
- 食品加工センター
- 外食部
- 衣料部
- 電器部
- ドラッグ部
食品部
ー県民の「食」を支えるライフラインー
食品部は、人々の生活を支えることが使命で、沖縄県特有の食文化や行事にきめ細かく対応し、県産品の掘り起こしなど積極的に行っています。利用頻度の高い商品を扱っているので、「仕掛けた結果がすぐに現れる面白さが食品部ならではだ」という実際に働いている方の声もあります。
食品加工センター
ーサンエーの心臓部として店舗を支えるー
お肉やお刺身パックの加工や、惣菜商品の製造を行なっている。徹底した品質管理と温度管理で新鮮な商品を店舗へ供給し、常に安心・安全を追求することでお客様の食卓を守っています。また、新商品の開発やリニューアルにも携わっています。
外食部
ー積極的に事業展開!若くして経営者へ登用ー
サンエーオリジナルの和風亭や珈琲待夢に加え、フランチャイズ展開のジョイフルやハンズカフェなど、さまざまなスタイルでお客様へ食の空間を提供。店長職への道が近く、早い段階から店舗運営に関わり、マネジメントを学ぶことができます。
衣料部
ー無いものを生み出す「ものづくり」ー
沖縄の気候、沖縄の人のセンスに合わせた商品を仕入れるだけではなく、日本、海外から生地を探し出し、無いものは自ら作り出す「ものづくり」を通して、お子様から年配の方まで幅広いニーズに応える役割を担っています。
電器部
ー「人間力」で商品を提案するー
全国に広がるネットワークを持つエディオンを沖縄県内で展開。販売だけではなく、アフターケアまでのトータルサービスで、お客様と長いお付き合いをしていきます。
ドラッグ部
ー女性が輝くステージをー
ドラッグ業界最大手のマツモトキヨシを沖縄で展開。美容や健康などの専門知識を身に付けスキルアップができます。女性社員の活躍の場を増やしたいという思いで立ち上げたドラッグ部は、仕事も家庭も両立でき、女性が働きやすい環境を目指しています。
サンエーが求める人材
リクナビによると新卒の皆さんに任せられる仕事はこのようになっていました。
サンエーでは「総合職」を募集しており、求める人材として「主体性を持ち、前向きに行動できる人」を挙げています。
総合職
⇒マネジメント職候補
引用元:リクナビ2023
仕事に対し誇りと責任と権限を持ち経営に携わるサンエーのマネジメント職です。
(配属予定部署:衣料部・食品部・食品加工センター・電気部・外食部)
現状に満足することなく、自分の夢や目標に向かって努力を惜しまない人や多くの人から「この人と働きたい」と思われる人間性のある人を求めているんだね。
サンエーの取り組み
研修体系・社員育成度
サンエーに入社してからの流れはこのようになっています。サンエーホームページより
新入社員研修
入社から1週間の本社研修では、サンエーに関する基礎知識を学びます。その後、約2ヶ月間のローテーション研修は、サンエーにある様々な部署を体験する研修です。何事も自分のこととして捉える「自主独立」の考え方で、会社のことを主体的に考える「オールサンエー」の視野を養うことを大切にしています。
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入社から2年間は、年に3回面談を行い、教育担当のトレーナー・店長・チーフと目標設定や業務の確認を行います。
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既存社員研修
入社5年間は、年次研修があり、経営陣や同期社員とのディスカッションを行います。“良くするため”の本音の討議でサンエーを進化させる研修です。その他、経営職研修(首都圏視察研修・アメリカの視察研修)、商品の勉強会、ニチリウ合同研修等、様々な学びの機会がありま
す。
ローテーション制度によって最初の2ヶ月間で色々な部署が体験できるのは魅力的だね!自分の適性を知れるきっかけにもなりそうだね。
また、サンエーには若手のうちから大きな裁量権を持たせてもらえる制度が多数あります。
サンエーでは、管理職を「経営職」と呼びます。責任のある人ほど、経営を進化させることを目指しているからです。また、そのチャンスを自らの意思で掴み取れる「経営職登用制度」があります。
経営資格のない社員でも、必要とあらば店長・バイヤーに抜粋されるユニークな制度があります。2年間という期限付きで「仮免許」が発行され期間中に試験資格に合格すれば、正式登用となります。若くして裁量権のある仕事を任せられるのは、意志を持ってチャレンジできる環境と、それを認める制度があるからなのです。
中には入社1年で店長候補として管理職を任されたというケースもありました。日本の上場企業の中でも若手でここまで幅広いチャンスを与えてくれる会社はなかなか珍しいですよね!
社内の環境づくり
サンエーでは2016年度から女性躍進プロジェクトというサンエーで働くすべての人が能力を十分に発揮し、いきいきと働き続けられる環境を目指すプロジェクトを発足しています。2021年度時点で女性管理職の割合が23.3%となっています。
現時点での女性役員が0人というまだまだ少ない現状がありますが、社内に占める女性管理職に関しては年々上昇傾向にあることがわかります。
プロジェクト以降の特に2021年頃から女性管理職の比率が急激に伸びているみたいだね。
サンエーの強み・弱み(SWOT分析)
SWOT分析のフレームワークを使って企業を取り巻く外部環境と内部環境を4つの要素で要因を分析をしてみました。
強み:Strength
・県内最大手で県内での圧倒的な支持とネームバリューがある。
・総合小売業者で幅広く事業を展開しているため、比較的経営が安定している。
・県内トップクラスの売上高を誇り、小売業ではシェアを独占している。
・新規フランチャイズ契約の締結や新規店舗出店など県外企業との連携を積極的に行なっている。
・入社から2〜3年で店長を任されるなど、若手が成長できる環境や研修制度が充実している。
・CVS事業に関して一部FC店舗を閉店したことで既存店の売り上げ増加に力を入れることができている。
弱み:Weakness
・沖縄のローカル企業のため、沖縄県以外に店舗がない。
・社員数や店舗拡大における人手不足により社員の負担が大きい。
・経営陣の考えが古く、セルフレジの導入が他社と比べ遅れていたりなど時代に見合った対策が進んでいない。
・急なシフト変更や休日出勤などがあり、働き方に柔軟性がなくライフワークバランスが取りずらい。
・女性管理職は増加傾向にあるが、キャリアと子育てとの両立が難しい。家族や周りのサポートなどがないと厳しい側面がある。
機会:Opportunity
・コロナなどの影響により、不要不急の外出を控える傾向に伴って、今後はネットスーパーや小型店舗の展開で細かいエリアまで商品を提供できるようになる可能性がある。
・ワンランクアップ商品ら沖縄県産品、PBブランド(くらしモア、ローソンセレクト)の販売強化に取り組みさらなる売り上げ促進を図っている。
・外出機会が増加したことで需要が低下していた衣料品や外食の売り上げ上昇が見込める。
脅威:Threat
・県外からの異業種や競合が参入して競争が激化しており、県内のパイが埋まってしまう恐れが挙げられる
・原材料高による食料品値上げが直撃し、消費者の買い控えに繋がる可能性がある。
・変異株による感染拡大、急激な円安などによる為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢に起因する資源・エネルギー価格の高騰など先行きが不透明である。
気になる年収・福利厚生
口コミサイトなどと比較してみると若干数字にバラつきがありますが、サンエーの平均年収は有価証券報告書によるとこうなっていました。
平均年収:487万7000円
昇格
年1回(7月)
賞与
年2回(7月・12月)公決算時に限り決算賞与あり(3月)
休日・休暇
年間年休110日
初任給
(大学卒・大学院卒)・・・・203,000円
(短大卒・専門学校卒)・・・178,000円
勤務時間
【シフト制】実働時間(1日)8時間
例:9:00〜18:00、13:00〜22:00、14:00〜23:00
勤務地
沖縄県(宮古・石垣を含む)
諸手当
経営職手当、家族手当、通勤手当、遠隔地手当ほか
福利厚生
社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労働災害補償保険(労災))
保険:社員持株会、確定拠出年金、退職金、育児休業・介護休業制度等
社宅・家賃補助制度あり(先島地区・本島北部地区は一部補助有)
就職難易度(勤務地・採用・選考)
配属勤務地
勤務地は沖縄本島全域と石垣島、そして2022年の6月に新たにオープンした宮古島シティを含め全83ヶ所あるんだね!
採用倍率や学歴フィルター
サンエーの採用倍率は非公開でしたが、過去3年間の平均採用人数とリクナビのプレエントリーから計算して推測してみたところ約10倍ほどでした。
今年度の正式な採用情報はまだ発表されていないので不明ですが、2023年度の新卒採用(大卒以上は50〜100名)程度でした。
また、採用実績校の詳細は公表していませんが、専門卒・高卒も多く採用しているのようなので学歴フィルターはないみたいです!
選考フロー
サンエーの選考フローはこのようになっています。
- エントリーシート提出
- 適性検査
- 筆記試験
- 面接(グループ)1回実施予定
- 面接(個別)1回実施予定
- 内々定
内定獲得のための必須対策
サンエーは選考基準として学歴ではなく、人柄を重視している印象を受けました。そして、求める人物像として「経営理念に共感できる人」を挙げているので
・主体性を持って行動する
・常にプラス発想
・素直に学ぶ姿勢で努力できる
経営理念であるこれら3つを意識し、なぜサンエーでなければならないのかを明確にして自己分析やエントリーシートの作成にあたることが大事になってきます。
また、サンエーの面接ではサンエーグループでの「アルバイト経験があるか否かを質問された」ケースもあるようです。サンエーは人手不足で、アルバイトやパートを随時募集しているようなので、アルバイト経験があれば即戦力になれる可能性や人柄が考慮され、選考を有利に動かすことができる可能性が大いにあります。
サンエーで働きたい方で余裕がある方は、応募してみるのもいいかもしれませんね!
しかし、まずは第一次関門の筆記試験対策が重要となってきます。
サンエーでは適性検査の筆記試験としてSCOAが出題されます。SCOA参考書などを活用して早い時期から対策に取り組むことで焦らずに済みます。
サンエーの内定者の先輩方がSCOA対策として使用していたオススメの参考書がこちらのリンクから購入できます。半年ほど前から取り組めば、余裕を持って一次試験に挑めるでしょう!
終わりに
今回の記事ではサンエーについて紹介してみました。
「サンエー」はお客さまを第一に考え、地域に根ざした経営で、総合小売業者という枠を超えてこの先も幅広く事業を展開していくことがわかりましたね。
小売業界はここ数年間で、原材料高による食料品値上げや社会情勢によるエネルギー資源の高騰、為替の変動、巣ごもり需要などで一部マイナスの影響はありましたが、サンエーに関しては沖縄県の観光客数の増加・外出の増加も追い風となり、今後の売上も期待できそうですね。
また、若手の育成に対しての取り組みに力を入れている企業であり、実力次第では早い段階から裁量権のある仕事を任せてもらえるのでキャリア意識の高い学生さんにとっては魅力的な企業ですね!地元からの信頼も厚く、福利厚生もしっかりしているので安定性や、やりがいを求めている学生さんは是非エントリーしてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
沖縄県の企業については他にもこちらで詳しく紹介していますのでよかったらご覧ください!
筆者もよく部活終わりにお菓子買いに来るついでに涼みにきてました!懐かしい